(最終更新: 2025年12月4日)
兵庫県立大学 大学院情報科学研究科 / 社会情報科学部 山本研究室 では学生募集を行っています.
修士課程・博士課程(博士後期課程)への進学を希望される方へ
兵庫県立大学 大学院情報科学研究科の入学試験において当研究室を志望することができます.山本は「データ科学コース」に所属しており,キャンパスは「神戸商科キャンパス」になります.
学部から配属を希望される方へ
兵庫県立大学 社会情報科学部 から当研究室への配属を希望することができます.
研究室の目的
山本研究室では「情報検索」に関わる研究を行っています.情報を探すという行為は我々にとって普遍的で重要な行為です.この行為について,我々人間がどのようなことを考えながら情報を探しているのかを理解し,これまでにない新しい人間と情報の関わり方を提案・実現することが研究室の大きな目的です.
これまでの研究に関しては,山本研究室の研究紹介ページや,山本の研究のページをご覧ください.
研究のアプローチ
山本研究室の研究は,大きく分けると以下の3つのアプローチに分類されます(もちろんこれらの組み合わせもあります).
- 分析型研究: アンケート調査やユーザ実験,ログ分析などを通して人間の検索行動を理解.
- システム提案型研究: 新しいユーザインタフェース,インタラクションをシステムとして実装し,評価実験(主にユーザ実験)を通して有用性を評価.
- 手法提案型研究: 新しい検索技術や分析手法を提案し,評価実験を通して有用性を評価.
学生さん自身の興味やテーマによって,システムを実装する人もいれば,調査をする人,新しいアルゴリズムを実装する人などいろいろなアプローチがありえます.
山本研の研究テーマ
2025年現在,山本研の研究テーマは大きく分けて3つのテーマがあります.ここに記載したテーマ以外でも,学生さん自身の興味があるテーマも大歓迎です.
1. 検索基盤技術
ウェブ検索をはじめとして,ユーザからの入力を受け取り関連する情報を高精度に検索する技術(アドホック検索)は我々に身近でありながら現代の知識社会を支える重要技術です.特に近年はChatGPTに代表される大規模言語モデルを用いた調べ物が一般的になっていますが,大規模言語モデルが最新・専門的な知識に基づいて回答するためには,関連する情報を精度よく検索して回答を生成する検索拡張型生成(RAG)が必要となり,検索技術は一層重要になっています.
ここでは,高性能な検索モデルやこれまでの検索モデルが検索できない情報を検索可能な検索技術について研究しています.
たとえば,以下のようなテーマを行なっています.
- モデルマージによる高性能なドメイン特化型検索モデルの構築
- アドホック検索における破滅的忘却の抑制
- 具体性を考慮した密検索モデルの構築
2. 責任ある情報アクセスシステム
ウェブ検索やLLMを用いた対話型検索は便利な一方で,情報のバイアスや信頼性,多様性,公平性などさまざまな社会的問題を抱えています.こうした,検索技術が抱える社会的問題と向き合い,その影響を明らかにし,よりよい社会を実現するための情報アクセスシステムについて考える研究を行なっています.
たとえば,以下のような研究を行なっています.
- 健康情報検索においてウェブ検索ユーザがどのようなWebページを参考にしているかの分析
- クエリ形式の違いやランキング手法の選択が,検索結果の偏りにどのような影響を与えるか
- 対話型検索において応答長などの特性がユーザの意見形成にどのような影響を与えるか
- より多くの情報を獲得するための音声対話型検索のデザイン
- 検索の場を学びの場としてどのようにデザインしていくか
3. 新しいインタクラション
上記2つのテーマは情報検索に関連したテーマでしたが,より広く人間と情報の新しい関わりに関する研究も行っています.
たとえば,以下のような研究を行なっています.
- 音声のリアルタイムモニタリングによる発話内容の訂正・補足情報自動提示システム
- 対話型ダジャレの生成
- レビューからの商品比較表の自動生成
- 類似商品からのレビュー補完
その他のテーマ・テーマの決め方
その他にもいろいろやっています.たとえば,以下のようなテーマに興味をもつ学生さんも(それ以外の学生さんも)大歓迎です.
- 深い情報探索を促す対話エージェントの実現
- 「勉強の仕方」を学ぶ対話型検索システム
- 博物館・美術館における新しい電子ガイドシステムの開発
山本研で学ぶ技術をキーワードであらわすと,情報検索のほかに,HCI(ヒューマンコンピュータインタラクション),自然言語処理,機械学習,データマイニングなどが当てはまります.また,認知科学や社会科学などの研究分野の知見も積極的に取り入れて研究を進めています.
社会情報科学部の講義で最も近いものは「情報アクセスシステム」です.情報アクセスシステムの講義ではウェブ検索に関する話が主だったかと思いますが,山本研の研究としてはウェブ,SNSなどのオンライン情報に限らず人と情報の関わり方に関するテーマを広く扱っています.これまで研究してきた論文タイトルを眺めてもらうと参考になるかもしれません.
研究テーマの決め方については,上記で挙げたようなテーマのどんなものに興味があるかを学生さんに聞きながら,山本と議論してテーマを具体化していく,という流れを考えています.もちろん,学生さんの方から提案いただき,一緒に議論して決めるケースもありえます(大歓迎です).
2025年度時点での山本研のメンバー
2025年12月現在,博士後期課程 1名,M2 5名,B4 5名の5名で研究を行っています.
山本が2024年の前期に休職していたため,2025年度はM1はいません.
どのような研究を行っているかについては,研究室の研究紹介ページが参考になると思います.
研究室の年間予定(案)
以下は2025年度で行った内容をまとめています.
- 個別ミーティング(30分/週1回)
- 毎週、基本的に1対1のミーティング
- 研究会(120分/週1回)
- 研究室メンバー全員参加のゼミ.毎回数人が自身の研究の発表や読んだ論文の紹介などをします.ペアプレゼンなどもやったりします.
- 論文読会朝活(60分/週1回)
- 有志で火曜2限に研究室に集まって,選んだ論文(日本語や英語)を皆で読みwikiにまとめる,ということを行っています.
- 勉強会
- 情報検索勉強会
- 国内会議(いつでも)
- 関西データベースワークショップ(9月)
- 基本的にみんな出しましょう
- DEIM(3月)
- 基本的にみんな出しましょう
- 関西データベースワークショップ(9月)
- 国際会議(いつでも)
- 国際会議論文を書いて,海外発表に行きましょう
また,研究室内で有志で競技プログラミング(AtCoder)の勉強会をしたり参加したりしています.
研究室の場所・環境について
社会情報科学部がある,兵庫県立大学 神戸商科キャンパス に研究室があります.情報科学研究棟309号室が山本研の場所になっています.
各学生にはモニタ,キーボード,マウスを1人1台使ってもらえる環境を用意しています.深層学習モデルの学習用に,GPUを積んだデスクトップマシンが複数台あります.また,検索システムであるElasticsearchを動かすためのCPUマシンなども置いてあります.対話システム構築用のGoogle Nest HubやAmazon Echo Showなどもあります.
ここには載せていないものもありますので,ぜひ研究室を見学してください.
FAQ
Q. どのような人が山本研に向いていますか?
以下に1つでも当てはまる人は向いていると思います.
A.
- 検索に詳しくなりたい人
- 機械学習や自然言語処理技術について詳しくなりたい人
- 手を動かして何か新しいものを作ることが好きな人
- 自ら頭を動かし,解決法を考え,人に伝える一連のスキルを鍛えたい人
Q. どのような人が山本研に向いていませんか?
以下に1つでも当てはまる人はあまり向いていないと思います.
A.
- プログラミングはできれば避けたいと思っている人
- 苦手だとか,自信がない,というのは全く問題ありません.研究室配属された先輩も配属時にプログラミングが得意だった人は少数派です.研究活動を通してプログラミングも一緒に学んでいきますので,少しずつでも取り組んでみようという気持ちがあれば心配ありません.
- あまり学校には来たくない人
最後に
研究室や研究に対する考え方は教員によって全く異なると思います.みなさんには,ぜひいろんな研究室を見てもらって,自分に合った研究室を志望してもらいたいと思います.
以下に示す2つのページは,山本が尊敬する先生方の研究室募集のページです.山本が共感する研究室運営の考え方が多く含まれていますので,ぜひ参考にしてみてください.
研究室にいるメンバや同期と協力しあい,一緒に学んでいける学生さんに志望いただけると嬉しいと考えています(もちろん山本もできうる限りの最大限のサポートします).どんなことでも遠慮なく山本まで連絡ください.